「毎日同じ通勤電車に揺られ、同じデスクで仕事をする。いつからだろう、世界がモノクロに見えるようになったのは…」
30代、40代とキャリアを重ねる中で、ふとそんな風に感じたことはありませんか? 目の前の業務に追われ、効率を求めるあまり、かつて抱いていた知的な好奇心や、物事を多角的に見るしなやかさが失われているような感覚。それは、あなたの「ものの見方」が、知らず知らずのうちに凝り固まっているサインかもしれません。
こんにちは!リベラルアーツeスクール「Liberarts(リベラーツ)」の公式ブログ編集部です。
私たちは、多忙な社会人の皆さんが、学びを単なる「消費」で終わらせるのではなく、これからのキャリアを支える「キャリア資本への投資」 へと転換させる、顔の見えるオンライン講座 を提供しています。
今回は、いよいよスタートする新シリーズ「人類学的思考を武器にする」 の序章となる、第0回(体験講座)と記念すべき第1回の内容を、少しだけご紹介します。「リベラルアーツって、今の仕事にどう役立つの?」と感じている方にこそ、読んでいただきたい内容です。
第0回 あなたの世界の見方を変える「人類学のレンズ」
私たちの多くは、「文化のメガネ(Kulturbrille)」 と呼ばれる色眼鏡をかけて世界を見ています。それは、あなたが育った環境や所属する組織の「あたりまえ」によって形作られた、無意識のフィルターです。
この体験講座の目的は、まずその「メガネ」の存在に気づくこと。そして、それを一度外して、世界をまったく新しい視点から眺めるための「人類学のレンズ」を手に入れることです。
講座では、文化人類学を専門とするいとばや先生 から、こんな問いが投げかけられます。
【サーベイ設問例】 あなたの毎日の通勤・通学路で、意識せずに繰り返している「儀式」のような行動はありますか?(例:いつも同じ車両に乗る、同じカフェに寄る)
一見、何気ない習慣。しかし、「人類学のレンズ」を通してみると、それはあなたなりの秩序を保つための、ささやかな「儀礼」として見えてくるかもしれません 。
さらに、こんな課題にも挑戦します。
【クエスチョン課題例】 あなたが毎日使う「モノ」(例:スマートフォン、マグカップ)を、今日初めて見た異星人のように観察し、その形、素材、使われ方から、持ち主の文化について何が推測できるか記述してください。
この「日常を異化する」 トレーニングこそ、凝り固まった思考をほぐし、新たなアイデアを生み出す源泉となるのです。
第1回 「そこにいた」ことの権威:近代人類学はいかにして始まったか
体験講座で思考の準備運動を終えたら、いよいよ本講座の第1部「思考のOSを入れ替える」 が始まります。
記念すべき第1回のテーマは、マリノフスキの『西太平洋の遠洋航海者』 。現代人類学を確立した、伝説的なフィールドワークの記録です。
「なんだか難しそう…」と感じましたか? ご安心ください。この講座で私たちが探求するのは、学術的な歴史だけではありません。100年前のフィールドワークから、現代のビジネスシーンに直結する、ある重要な「問い」を掘り起こすことにあります。
【サーベイ設問例】 あなたの知の正当性は「理論的正しさ」と「現場経験」のどちらに由来しますか?
リモートワークが普及し、画面越しのコミュニケーションが増える中で、「現場のリアルな空気感が失われている」と感じることはありませんか? 会議室で語られる数字やデータ(理論)と、顧客や最前線で働く社員が肌で感じていること(現場経験)。その間に横たわる溝を、私たちはどう埋めればいいのでしょうか。
マリノフスキが確立した「そこにいた(being there)」ことの重要性、つまり「経験的権威」 という概念は、この問いに力強いヒントを与えてくれます。
この回で取り組む課題は、シンプルながら非常に奥深いものです。
【クエスチョン課題例】 日常空間を15分観察し、解釈を交えず「観察可能な事実」のみを記述してください。
私たちは普段、いかに多くの「解釈」や「思い込み」を通して世界を見ているか。この課題は、その事実に気づかせてくれるでしょう。事実を事実として捉える力は、あらゆるビジネスや人間関係における、的確な判断の土台となるはずです。
次回予告:その「ため息」に隠された意味とは?
さて、第2回では、文化人類学のもう一人の巨人、クリフォード・ギアツの「厚い記述」という概念に迫ります 。
同僚がふと漏らした「ため息」。それは単なる疲れの表れでしょうか? それとも、プロジェクトの進行に対する無言の抵抗? あるいは、家庭での悩みを引きずっているサイン…?
一つの行動の背後にある、「推論と含意の階層」 を読み解くための強力なツールを、あなたも手に入れてみませんか? どうぞご期待ください。
あなたの「あたりまえ」を、知的な冒険に変えませんか?
Liberartsが提供するのは、一方的に知識を詰め込むだけの講義ではありません。講師や仲間との対話を通じて、あなた自身の経験を掘り起こし、思考のOSそのものをアップデートしていく、いわば「思考のトレーニングジム」 です。
今回ご紹介した「人類学のレンズ」は、そのための第一歩。 ご自身の興味に合わせた学びを発見しませんか?まずは、リベラルアーツの面白さを実感できる体験講座へお越しください。
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