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【新講座】歴史は「人間」だけで作れるか? 「モノ」と女たちの沖縄戦後史が問いかけるもの

This entry is part 6 of 6 in the series 学習ガイド|リベラルアーツへの招待

学習ガイド|リベラルアーツへの招待

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【新講座】歴史は「人間」だけで作れるか? 「モノ」と女たちの沖縄戦後史が問いかけるもの

はじめに:歴史の「主役」を疑う旅へ

こんにちは、いとばや先生です

皆さんは「歴史」と聞いて、どんな風景を思い浮かべますか? 条約を結ぶ政治家、戦場の兵士、あるいは基地反対を叫ぶデモの列でしょうか。それらは確かに歴史の重要な一面ですが、「それだけ」でしょうか。

今回開講する新講座「モノと女たちの沖縄戦後史」は、これまでの歴史の教科書が語り落としてきた、生活者の「痛み」や「誇り」、そして「したたかな戦略」に光を当てる野心的なプログラムです。

なぜ「モノ」なのか? それは、人間(特に女性たち)が、モノに使われ、モノに助けられ、モノと戦うことで、自分たちの居場所を切り開いてきたからです。

この記事では、本講座のエッセンスと、学びを深めるための特別なガイドをお届けします。


講座の全体像:4つの「モノ」が語る生存戦略

本講座は全4チャプターで構成されています。それぞれの章で、沖縄の女性たちが対峙した具体的な〈モノ〉に焦点を当て、アクターネットワーク理論(ANT)という新しいレンズで歴史を読み解きます。

「かわいそうな歴史」は、もう終わり。モノと女たちの「生存戦略」を読み解く。

なぜ、彼女たちは「火葬場」を求めて戦ったのか? なぜ、基地の街で「美容室」が情報の拠点になったのか?

14年にわたるフィールドワークに基づく「アクターネットワーク理論(ANT)」で、沖縄戦後史の見えないネットワークを可視化する。

既存の歴史観を覆す、知的興奮の旅へご案内します。

体験講座『モノと女たちの戦後沖縄史
まずは無料体験で、 思考のOSをアップデートする感覚を掴んでください。

Chapter 1: 【労働と移動】海を渡る身体と「装い」の技術

戦前の貧しい農村から、大阪の紡績工場へ渡った少女たち。「女工哀史」として悲劇的に語られがちな彼女たちの経験ですが、本人の語りは違いました。

「ちっとも恐くない。面白がっていた。(中略)大和スガイ(日本風の服装)やって、リボンやって、下駄やって、大威張りよ」 (出典:大城道子「沖縄出身女性の紡績出稼ぎに関する語り」)

彼女たちにとって、最新の「紡績機械」を操り、モダンな「洋服」を身にまとうことは、旧来の村社会から自分を解放し、自立した「新しい私」に変身するための技術でした。

Chapter 2: 【身体と衛生】「骨」の支配と「火葬場」という革命

沖縄の伝統的な葬送儀礼「洗骨」。数年後に墓を開け、骨を洗い清めるこの儀式は、美しい祖先崇拝の物語として語られます。しかし、実際に腐敗する「死体」と向き合い、その処理を押し付けられていたのは女性たちでした。

「非衛生的であり、ときには腐蝕しない肉体の部分もあって、棺を開けるまでの精神的苦痛はたとえようもない」 (出典:中間由紀子・内田和義「戦後沖縄における生活改善」)

彼女たちは、この過酷な身体的苦役から逃れるために、なんと「村の祝い事の料理作りをボイコットする」という実力行使に出ます。「火葬場」というテクノロジーを勝ち取るための、女性たちの命がけの政治闘争を描きます。

Chapter 3: 【排除と連帯】「軍用地料」の魔力とウナイの会

基地の街・金武町(きんちょう)。ここでは、国から支払われる巨額の「軍用地料」が、地域社会を分断する強力なアクターとして機能しました。 「男が継ぐのが伝統だ」として、地料の配分から排除される女性たち。しかし、その「伝統」は、実はお金を守るために都合よく強化されたものでした。

カネというモノが、いかに家父長制を補強し、あるいは裁判闘争の火種となったのか。資本とジェンダーの鋭い対立を分析します。

Chapter 4: 【接触と媒介】基地・美容室・ラジオが織りなすネットワーク

米軍基地のフェンスの向こう側とこちら側。分断された二つの世界をつないだのは、路地裏の「美容室」でした。 圧倒的な価格差を持つ「ドル」に惹かれ、米軍女性たちが地元の美容室を訪れます。そこで沖縄の女性たちは、占領者の身体に触れ、マニキュアを施し、文化を交換しました。

さらに美容室は、「美容椅子」という装置が人々を長時間滞留させることで、お喋り(ゆんたく)の中から「模合(金融)」や「ユタ(シャーマン)」の情報を交換する、地域のセーフティネットとしても機能していたのです。


なぜ今、この視点が必要なのか?

スマホがないと生活できない私たち。オフィスのレイアウトによって規定される人間関係。 沖縄の女性たちが「道具」や「場所」との関係を変えることで人生を切り開いたように、私たちもまた、周囲のアクター(モノ)との関係を見直すことで、現状を変えるヒントが得られるはずです。



【受講生必読】モノと私の関係を書き換える
(ANT実践)

ここからは、本講座の学習効果を最大化するためのガイドです。 単に動画を視聴するだけでなく、以下の3つのステップで思考を巡らせることで、あなたの日常の見え方が劇的に変わります。

タップできる目次

Step 1: 視聴前の準備「レンズを磨く」

動画を見る前に、配布資料の「生活史の語り(PDF)」をダウンロードし、以下の点に注目して一読してください。

  • 違和感を探す: 「かわいそう」だと思っていた女工さんが「大威張り」と言っていたり、伝統行事を「不潔」と断じていたり。あなたの「思い込み」と食い違う言葉に線を引いてください。
  • モノを探す: 彼女たちの語りの中に登場する「道具(機械、衣服、お金、乗り物)」を丸で囲んでください。それらは、彼女たちを助けていますか? それとも苦しめていますか?

Step 2: 視聴中の問い(C.R.E.A.T.E.R.)

動画視聴中は、AIファシリテーターとして以下の「賢い問い」を投げかけます。ノートを取りながら考えてみてください。

■ 比較と統合 (Comparison & Connection)

  • N.K.さんの「紡績機械」と、現代のあなたの「パソコン/スマホ」。どちらも仕事に不可欠なツールですが、それはあなたに「自由」を与えていますか? それともあなたを「24時間労働」に縛り付けていますか?

■ 前提を問う (Reflection on Assumptions)

  • Chapter 2の男性たちは「火葬は怖い(熱い)」と言って反対しました。しかし、実際に腐敗した死体を処理していたのは女性でした。
    • 問い: あなたの職場や家庭で、「精神論」や「伝統」を語る人の裏側で、「物理的な汚れ仕事(ケア)」を黙って引き受けているのは誰ですか?

■ 応用と転用 (Application)

  • Chapter 4の美容室は、髪を切る場所でありながら、銀行(模合)や病院(ユタ紹介)の機能も果たしていました。
    • 問い: あなたにとっての「現代の美容室(サードプレイス)」はどこですか? 職場の肩書きを外して、弱音を吐いたり、非公式な情報を得たりできる場所を持っていますか?

Step 3: アクション(フィールドワーク)

講座の最後には、あなた自身の生活を分析する課題があります。

この観察を通して、あなたは単なる「歴史の学習者」から、自らの世界を記述する「エスノグラファー(記録者)」へと変貌します。

おすすめの参考文献(さらに深く知るために)

本講座のベースとなった学術研究です。興味を持ったテーマから手に取ってみてください。

  • 『同化と他者化 戦後沖縄の本土就職者たち』(岸政彦著、ナカニシヤ書店)
  • 『沖縄の基地と軍用地料問題―地域を問う女性たち』(桐山節子著、有志舎)
    • Chapter 3の「ウナイの会」の闘いを詳細に描いたドキュメント。お金と差別とジェンダーの構造がわかります。
  • 『沖縄の女たちと美容室―美と装いをめぐる受容と展開』(堀田奈穂著、『現代民俗学研究』所収)
    • Chapter 4の元ネタ。美容室がいかにして情報のハブとして機能したか、生き生きとした描写があります。
  • 『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(千葉雅也著、河出書房新社)

最後に:

歴史は、遠い過去の「点」ではありません。 それは、今のあなたの生活へと続く「線」であり、網の目のように広がる「ネットワーク」です。

沖縄の女性たちが、与えられた環境(モノ)をハッキングし、しなやかに生き抜いたように、あなたもまた、あなたの物語を編集する力を持っています。

この講座が、あなたの「生存のネットワーク」を再発見する旅となることを願っています。 教室でお会いしましょう。

「かわいそうな歴史」は、もう終わり。モノと女たちの「生存戦略」を読み解く。

なぜ、彼女たちは「火葬場」を求めて戦ったのか? なぜ、基地の街で「美容室」が情報の拠点になったのか?

14年にわたるフィールドワークに基づく「アクターネットワーク理論(ANT)」で、沖縄戦後史の見えないネットワークを可視化する。

既存の歴史観を覆す、知的興奮の旅へご案内します。

体験講座『モノと女たちの戦後沖縄史
まずは無料体験で、 思考のOSをアップデートする感覚を掴んでください。

学習ガイド|リベラルアーツへの招待

【重大発表】リベラーツ、法人化への道。コロナ禍の迷いから始まった「大人の学び」を、一生モノの「母校」にするまでの物語。

投稿者

  • 文化人類学者|社会人類学・アクターネットワーク理論

    • 早稲田大学大学院博士課程に在籍中、インドネシアとシンガポールへの留学を経て、文化・社会人類学の研究手法を体得。現在もフィールドワークを重視する研究者として活動。
    • 研究テーマは、東南アジアの国際移民研究から、BBCやNHKのドキュメンタリー番組制作過程の民族誌的研究、沖縄・韓国・マレーシアの民俗服飾の比較研究へと展開。近年は、伝統染織「読谷山花織」を事例に、市場的価値と社会的価値が織りなすネットワークの中で、いかに持続可能な発展が実現されるのかを追究している。
    • 特筆すべきは、コロナ禍でキャリアコンサルタント国家資格を取得した点。人類学者としての視座とキャリア支援の実践知を統合し、沖縄の伝統産業における技能継承や後継者育成の研究にその知見を活かしている。学問と社会をつなぐ姿勢は、リベラーツの理念にも通底する。
    • 主な著書:
      『シンガポール:多文化社会を目指す都市国家』
      『戦後アジアにおける日本人団体』
      『イスラーム事典』

     

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