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つっちー先生 プロフィール

つっちー先生(土屋武久|英語学者)

英語学・メディア文化研究

あなたが愛する物語を「自分だけの武器」に変える案内人

土屋武久|英語学者

南イリノイ大学大学院で応用言語学を修めたつっちー先生は、英語教育とメディア文化研究を横断する独自の研究領域を開拓してきた研究者である。その研究は、外国語教育の実践的な方法論から、映画やマンガといった大衆文化の学術的分析まで、幅広い射程を持っている。

先生の研究の核心は、言葉と文化が切り結ぶ地点にある。英語教育分野では、リーディング教材の統計的分析やコンピュータ支援学習システムの開発など、科学的なアプローチで語学教育の効果を高める方法を追求してきた。特に語彙指導や教材開発において、学習者の実態に即した実践的な研究を積み重ねている。

同時に、先生は映画ジャンル論やメディア文化研究の翻訳を通じて、英語圏の最新の文化理論を日本に紹介する役割も担ってきた。『ロードムービーの想像力』や『映画ジャンル論の冒険』といった翻訳書は、映画を単なる娯楽ではなく、社会と文化を読み解く知的営みとして位置づける視座を提供している。

さらに注目すべきは、日本の大衆文化を学術的に分析する仕事である。高橋留美子の『めぞん一刻』における物語構造の分析や、映画『Wの悲劇』の鏡像をめぐる考察は、日本のマンガや映画が持つ文化的・美学的な深さを、理論的な枠組みで解明する試みといえる。

先生の仕事が示すのは、人文学が「空理空論」ではなく、現実と切り結び、私たちの文化理解を豊かにする知的実践であるという確信である。外国語教育と文化研究を架橋するその姿勢は、学問の実用性と知的探求の楽しさを両立させる模範となっている。

土屋先生のおもな著書の紹介

映画ジャンル論の冒険

たとえばフランケンシュタインの怪物やゾンビは、なぜ観る者を惹きつけるのか? その答えは〈ジャンル〉に隠されている—映画を深く味わいたい方にぜひ読んでいただきたい一冊が、完成しました。西部劇、ホラー、SF、ミュージカル……〈ジャンル〉は映画の地図といえます。ジャンルを知れば、映画の景色が一変するでしょう。著者は、映画ジャンル研究の第一人者として知られるキース・バリー・グラント教授。数々の名作を通してジャンルの変遷と奥深さを縦横無尽に語り尽くし、リベラーツの受講者を胸躍る知的冒険へと誘います。

ロードムービーの想像力

なぜ私たちは旅する映画に惹かれるのか。本書は『イージー・ライダー』等を題材に、「ロードムービー」というジャンルがいかにして社会的・産業的合意の中で形成されたかを解き明かします。「自由」や「抵抗」といった定型句を超え、旅がもたらす「魂のゆらぎ」や、未知への恐怖と美をグローバルな視座で分析。映画という「窓」から、現代社会における移動の意味と、私たちが世界に占める位置を再考する知的冒険の書です。

アカデミックライティング

映画を見て「面白かった」で終わらせていませんか?本書は、アメリカの大学で実際に使われているアカデミック・ライティングの教科書です。映画という親しみやすい題材を通じ、ショットや演出等の「形式分析」と、歴史やジェンダー等の「文化的分析」を組み合わせ、論理的な文章を構築する術を学びます。アイデア出しから構成、推敲までのプロセスを徹底ガイド。単なる映画評論にとどまらず、あらゆる学問に通じる「批判的に観る目」と「論理的に書く力」を養う、リベラーツでの学びを深めるための必携の実践書です。