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【精選 民族誌】カレン・ホー(Karen Ho)『Liquidated: An Ethnography of Wall Street』徹底解剖——現代社会人のための「流動性」と「スマートネス」の人類学的分析

「思考のOS」を鍛える、人類学・民族誌の名著

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1. イントロダクション:

1.1  なぜ今、ウォール街の民族誌なのか

カレン・ホー(Karen Ho)著『Liquidated: An Ethnography of Wall Street』(2009年、邦訳未出)は、単なる金融業界の暴露本ではなく、現代の資本主義社会を生き抜くための強力な「思考ツール」となり得る民族誌である。

Liquidated: An Ethnography of Wall Street

なぜなら、ホーが描き出すウォール街の「文化」——雇用の流動化、株主価値至上主義、能力主義の神話——は、もはや金融業界だけのものではなく、GAFA(Google, Apple, Facebook/Meta, Amazon)をはじめとするテック業界、そしてギグ・エコノミー(Gig Economy)を通じて、一般社会の労働規範へと浸透しているからである。本書の分析を通じて、視聴者は自身が置かれている経済環境を「自然現象」としてではなく、特定の人間たちが作り出した「文化的構築物」として客観視する視座を獲得できるだろう。

1.2 著者カレン・ホーの特異な立ち位置:「スタディ・アップ」の実践

本書の強みは、著者のユニークな経歴にある。カレン・ホーは、スタンフォード大学とプリンストン大学という、まさにウォール街が好んで採用するエリートコースを歩んだ人物である。彼女は人類学の大学院生として研究を進める中で、実際にバンカーズ・トラスト(Bankers Trust、後にドイツ銀行に買収)に入社し、内部経営コンサルタント部門のアナリストとして働いた経験を持つ。

University of Minnesota

人類学には伝統的に、植民地や辺境の社会を研究対象とする傾向があった。しかし、ホーの手法はローラ・ネーダー(Laura Nader)が提唱した「スタディ・アップ(Studying Up)」、つまり権力の中枢を研究対象とするアプローチである。彼女は「参加観察(Participant Observation)」の手法を用い、自らが「ホワイトカラーの搾取工場(White-collar sweatshop)」と呼ぶ過酷な労働環境に身を投じた。そして、自身がレイオフ(解雇)されるという、「民族誌的に極めて意義深い」体験を経て、再びアカデミアに戻り、100人以上の投資銀行家へのインタビュー調査を敢行したのである。

特徴詳細脚本への示唆
内部者としての視点実際の業務、社内政治、激務を体験。現場のリアリティ(長時間労働の疲労感、デスクの風景)を描写可能にする。
外部者としての視点人類学者として構造を客観的に分析。単なる感情的な批判ではなく、システム全体の構造的欠陥を指摘できる。
「レイオフ」の当事者突然の解雇通告を受けた経験。視聴者の不安に寄り添う共感ポイントとなる。

1.3 中心命題:「流動性(Liquidity)」の文化的生産

本書のタイトル『Liquidated』は、多義的な意味を持つダブル・ミーニングである。

  1. 企業の清算(Liquidation of corporations): 企業を解体し、資産を売却して現金化すること。
  2. 雇用の流動化(Liquidation of people): 従業員を解雇し、労働力を調整弁とすること。
  3. 流動的な生(Liquid lives): 投資銀行家自身が、極めて不安定で短期的な時間軸の中で生きていること。

ホーの革新的な主張は、「市場の不安定さ(Volatility)」は抽象的な経済法則の結果ではなく、投資銀行家たちの「日常的な実践」と「世界観(Habitus)」によって作り出されているという点にある。彼らは自らの不安定な雇用環境(=流動的な生)を「優秀さの証明」として誇り、その価値観を一般企業にも押し付けることで、社会全体を「流動化」させていく。このメカニズムを解き明かすことが、本レポートの主眼である。


2. 「スマートネス」の文化:エリートはいかにして作られるか

2.1 能力主義の神話と「スマートネス(Smartness)」の正体

ウォール街において「スマートネス(賢さ)」とは、単なる知能指数や専門知識を指す言葉ではない。それは、莫大な報酬と権力を正当化するための「文化的通貨」である。リベラーツの受講者のビジネスパーソンにとって、この「スマートネス」の脱構築は、自身のキャリアにおける「能力」や「評価」の意味を問い直す契機となる。

ホーの研究によれば、ウォール街におけるスマートネスは、「何を知っているか(金融知識)」よりも「誰であるか(学歴・属性)」によって定義される。投資銀行は、自らが「世界で最もスマートな場所」であるというブランドイメージを維持するために、ハーバード大学やプリンストン大学といった超エリート校の学生を独占的に採用しようとする。

スマートネスの社会的機能

  1. 正当化の道具: 「我々は世界で最も優秀な人間である。だからこそ、市場を支配し、巨額のボーナスを受け取る権利がある」という論理を構築する。
  2. グローバルな優越感: 投資銀行家は自らを「グローバル」な存在と位置づけ、自身がアドバイスする企業の経営者(たとえ彼らが数十年業界にいたとしても)を「ローカル」で「鈍重」な存在として見下す根拠とする。
  3. 過剰労働の動機づけ: 「君たちは選ばれた特別な存在だ」というメッセージは、若者たちを週100時間の激務へと駆り立てるための最強のマネジメントツールとして機能する。

2.2 リクルーティングという儀式:選別のメカニズム

ホーは、プリンストン大学やハーバード大学で行われる採用活動(リクルーティング)の詳細な観察を行っている。これは単なる就職活動ではなく、学生を「マスター・オブ・ザ・ユニバース(宇宙の支配者)」へと変容させる通過儀礼である。

具体的なエピソード:

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどのトップファームは、最高級ホテルやレストランで豪華なカクテルパーティーやディナーを開催する。そこで学生たちは、「君たち以外に、この仕事ができる人間はいない」と繰り返し囁かれる。

あるハーバード大生(仮名:Kendra Lin)は、ゴールドマン・サックスのリクルーターの話を聞き、「ゴールドマンはビジネス界におけるハーバードだ」と感じたと語る。つまり、投資銀行へ進むことは、就職というよりも、エリートとしてのアイデンティティを維持・拡張するための「自然な次のステップ」として提示されるのである。

このプロセスにおいて、金融への興味や適性は二の次とされる。重要なのは「エリート大学の学生である」という事実そのものであり、銀行はその「象徴資本」を買い取っているに過ぎない。これは、多くの学生が抱く「専攻に関わらず、とりあえず投資銀行に行くのが正解」という集団心理(=「リスク回避としての就職」)を生み出す。

2.3 「人種」と「ジェンダー」による分断

「スマートネス」の文化は、表向きは「能力さえあれば人種や性別は関係ない(The only color implies is green – お金の色だけが重要)」というメリトクラシー(能力主義)を標榜する。しかし、ホーの分析は、その背後にある構造的な差別を暴き出す。

  • 「プロダクト・サイド」への誘導: 女性やマイノリティ(特にアジア系)は、高度な専門知識や勤勉さが求められるが、顧客との「関係構築」は不要とされる「プロダクト・サイド(クオンツ、分析、トレーディング支援)」に配置されやすい。
  • 「リレーションシップ・サイド」の壁: 一方で、M&Aや企業幹部へのアドバイザリー業務を行う「リレーションシップ・サイド」は、白人男性が支配的である。これは、クライアントである企業のCEO(多くは白人男性)との「文化的類似性(Cultural Mirroring)」や「安心感」が、取引の成否を握ると信じられているためである。
  • ガラスの天井: 女性銀行家たちは、既存の「男性的」な成功モデル(攻撃性、家庭を顧みない長時間労働)に同化するか、あるいは「サポート役」に徹するかという二者択一を迫られる。ホー自身がアジア系女性として現場にいた際の違和感や、マイノリティの同僚たちが語る「見えない壁」のエピソードは、企業社会におけるD&I(多様性と包摂)の難しさを浮き彫りにしている。

3. ホワイトカラーの搾取工場:労働現場の実態

3.1 週110時間労働のパラドックス

投資銀行のアナリスト(入社1-2年目の若手)の生活は、華やかなイメージとは裏腹に、「ホワイトカラーの搾取工場(White-collar sweatshop)」そのものである。ホーは、彼らの労働実態を克明に記録している。

  • 終わらない修正作業: アナリストの主な仕事は、ピッチブック(提案資料)のフォント修正、ロゴの貼り付け、エクセルのモデル計算といった単調作業である。
  • フェイス・タイム(Face Time): 上司が帰るまで帰れない、あるいは深夜まで会社にいること自体が「やる気」の証明とされる文化。
  • 身体的消耗: 睡眠不足、不健康な食事、慢性的な疲労。しかし、彼らはこの消耗を「勲章」として語る。「昨日は2時間しか寝ていない」という自慢話は、彼らが「常人には不可能なハードワーク」に耐えうる選ばれた人間であることを再確認する儀式である。

洞察(インサイト):

ここで重要なのは、「搾取(Exploitation)」と「エンパワーメント(Empowerment)」が同居しているという逆説である。彼らは会社から搾取されていると自覚しつつも、同時にその過酷な環境に身を置くことで、「自分は重要な仕事をしている」「自分はタフなマーケット・プレイヤーだ」という全能感(エンパワーメント)を得ている。この心理メカニズムこそが、ブラックな労働環境を持続させている要因である。

3.2 「戦略なき戦略(Strategy of No Strategy)」と労働の無駄

ホーが現場で目撃したのは、合理的で効率的な経営判断ではなく、場当たり的な対応の連続であった。彼女はこれを「戦略なき戦略」と呼ぶ。

  • 無駄になる成果物: 上司やクライアントの思いつきで作らされた膨大な資料の多くは、会議で一度も使われることなくゴミ箱行きとなる(=Dead Deals)。
  • 即時対応の強制: アナリストは常に待機状態を強いられ、夜中の急な指示に即座に対応(Morph instantly)しなければならない。これは、労働者の時間を「いつでも使える在庫」として扱う発想である。

この非効率性は、「市場は常に変動し、予測不可能である」という前提によって正当化される。「いつチャンスが来るかわからないから、常に全員が120%で待機していなければならない」という論理は、労働者の生活や健康を完全に度外視した「流動性」の極致である。

3.3 マネー・メリトクラシーとボーナスの魔力

この過酷な労働をつなぎとめる唯一のアンカーが「ボーナス」である。ウォール街において報酬は、生活の糧ではなく、個人の価値を測る唯一のスコアカードである。

  • 後払いされる報酬: 基本給は比較的低く抑えられ(それでも高額だが)、年収の大部分が年末のボーナスに依存する。これにより、銀行家は年末まで辞めることができず(金の特権)、ボーナスを受け取った直後に大量の退職者が出るというサイクルが生まれる。
  • 不安の増幅装置: ボーナス額は市場環境や上司の主観に大きく左右される。この不確実性が、銀行家たちを常に不安な状態(Insecurity)に置き、「今稼げるだけ稼がなければならない」という短期志向(Short-termism)を加速させる。

4. 株主価値革命:企業社会の再構築

4.1 「社会的企業」から「金融資産としての企業」へ

ホーの分析の中で最も社会的インパクトが大きいのが、「株主価値(Shareholder Value)」という概念の系譜学的分析である。彼女は、株主価値至上主義が、普遍的な経済原理ではなく、1980年代以降にウォール街によって構築され、流布された「イデオロギー」であることを喝破する。

時代区分企業の定義成功の指標従業員の扱い
~1970年代社会的実体 (Social Entity)
地域社会、従業員、顧客を含むステークホルダーの共同体。
雇用の安定、事業の継続的成長、製品の品質。資産 (Assets)
長期的投資の対象。
1980年代~金融資産 (Financial Property)
株主が所有するポートフォリオの一部。
株価 (Stock Price)
四半期ごとの利益、ROE。
コスト (Costs/Liabilities)
削減すべき対象。

この価値観の転換において、投資銀行は「触媒」の役割を果たした。彼らは、企業の合併・買収(M&A)やリストラ(Downsizing)を提案し、株価を引き上げることで、巨額の手数料を得るビジネスモデルを確立した。

4.2 AT&Tのレイオフ:歓喜するウォール街

ホーは1996年のAT&Tの事例を象徴的なエピソードとして取り上げている。当時、AT&Tは4万人の従業員削減を発表した。

  • メインストリート(一般社会)の反応: 企業の裏切り、社会的責任の放棄として激しい批判が起きた。従業員にとっては悲劇であった。
  • ウォール街の反応: AT&Tの株価は急騰した。バンカーズ・トラストの社内では、同僚たちがこのニュースを見て歓喜し、ハイタッチを交わしていた。

この光景は、ホーにとって決定的な瞬間であった。ウォール街において「リストラ」は、企業の失敗ではなく、経営陣が株主のために断固たる決断を下した「規律(Discipline)」の証明として賞賛されるのである。従業員の苦しみは、株価上昇という「より高次元の善」のために必要な犠牲(あるいは効率化)として合理化される。

4.3 利益と雇用の分離(Divorce of Profit from Employment)

ホーが指摘するのは、企業利益と従業員の幸福が完全に切り離された現実である。かつては「企業が儲かれば、従業員も豊かになる」という暗黙の社会契約があった。しかし、株主価値モデルの下では、「企業が儲かる(株価が上がる)ためには、従業員を減らすことが近道である」という倒錯した論理が成立する。

「最高益を更新しているのに、なぜリストラが続くのか?」という現代社会人の素朴な疑問に対し、ホーは「それがウォール街によって設計されたシステムの仕様だからだ」と答える


5. リキッド・ライフ:不安の正体と社会への伝播

5.1 「流動的な生(Liquid Lives)」の内面化

投資銀行家たちは、他者にリストラを強いるだけでなく、自分自身も極めて不安定な雇用環境に生きている。ホーはこれを「リキッド・ライフ(Liquid Lives)」と呼ぶ。

彼らは「アット・ウィル(At-will:随時解雇可能)」契約の下で働いており、業績が悪化すれば即座に解雇される。しかし、彼らは安定を求めることを「弱さ」や「停滞」と見なし、リスクを取って市場の波に乗る生き方を「進化した働き方」として正当化する。

  • ラディカルな現在主義(Radical Presentism): 明日の雇用が保証されていないため、彼らは長期的な計画を立てることができない。その結果、目先のディール、目先のボーナス、目先の株価に全神経を集中させることになる。これが金融危機の温床となる「ショート・ターミズム(短期志向)」の心理的背景である。

5.2 ウォール街からシリコンバレー、そしてギグ・エコノミーへ

ホーの研究は2009年に出版されたが、その洞察は現在のテック業界や新しい働き方にも驚くほど当てはまる。むしろ、ウォール街の論理はシリコンバレーに継承され、より洗練された形で社会実装されていると言える。

現代への接続(脚本のアップデートポイント):

  1. シリコンバレーとの類似性:
    • 採用: スタンフォードやMITを中心とした「スマートネス」の崇拝。
    • レイオフの文化: 2022年から2024年にかけてのGAFAによる大規模レイオフは、企業が赤字だからではなく、「効率性」を市場にアピールして株価を維持するために行われた(=市場模倣、Market Mimesis)。これはまさにホーが描写したウォール街の行動様式そのものである。
    • ストックオプション: 従業員を株主価値にコミットさせるための報酬体系。
  2. ギグ・エコノミーの源流:
    • ウーバー(Uber)やタスクラビット(TaskRabbit)の働き方は、ウォール街が理想とした「流動的な労働力」の究極形である。しかし、投資銀行家にはあった「高額な補償(Risk Premium)」が剥奪され、不安定さだけが残されている。
    • アルゴリズムによる管理: ウォール街が「市場の規律」で労働者を管理したように、プラットフォーム企業は「アルゴリズム」で労働者を管理・評価・排除している。

5.3 「ダウンサイジングのハビトゥス」の波及

ホーは、ウォール街の価値観が、コンサルティング会社やビジネススクールを通じて、一般企業の経営者やホワイトカラー層にも浸透していると指摘する。私たちは知らず知らずのうちに、自らを「株式会社 自分」として捉え、スキルを磨き(資本増強)、ネットワークを広げ(M&A)、効率の悪い時間を切り捨てる(リストラ)という、「自己の金融化」を行っているのではないか。この「ダウンサイジングのハビトゥス(習性)」こそが、現代の息苦しさの正体かもしれない。


6. 結論と提言:「人生を豊かにする思考ツール」として

6.1 総括:市場の脱神話化

『Liquidated』が私たちに提供するのは、経済に対する「解像度」の向上である。ホーは、市場が「見えざる手」によって動く神聖な領域ではなく、特定の大学を出た、特定の文化を持つ、特定の不安を抱えた人間たちが、狭いオフィスの中で作り出している「社会的空間」であることを暴いた。

6.2 リベラーツに興味を持つ社会人へのメッセージ

本書から得られる教訓は以下の3つの「思考ツール」である。

ツール1:ナラティブ(物語)の解体

「自己責任」「能力主義」「市場の評価」といった言葉に押しつぶされそうになった時、それがウォール街由来の「作られた神話」であることを思い出そう。あなたの価値は、株価やボーナス、あるいは会社の評価だけで決まるものではない。「スマートネス」の定義はもっと多様であっていいはずだ。

ツール2:戦略的な「流動性」と心理的な「定住」

現代社会において、終身雇用に固執することはリスクである。ウォール街流の「スキルへの投資」や「ネットワーク構築」は、個人の生存戦略として有効な部分もある。しかし、価値観まで流動化させてはいけない。人間関係やコミュニティ、家族といった「効率化できないもの」を、短期的な利益のために「清算(Liquidate)」しないという強い意志が必要である。

ツール3:構造的共感

自分がリストラの対象になった時、あるいは逆に部下を管理する立場になった時、それを個人の能力の問題としてだけでなく、構造的な問題として捉える視点を持つこと。ホーが描いた銀行家たちもまた、システムの中で不安に震える存在であった。この視点は、過度な自責や他者への攻撃を防ぎ、より健全な連帯を生む助けとなるだろう。

6.3 結び:未来への視座

カレン・ホーは、ウォール街を糾弾して終わりにするのではなく、私たちに問いかける。「私たちは、どのような経済、どのような会社、どのような働き方を望むのか?」

株主価値以外の価値——従業員の生活、地域社会への貢献、持続可能性——を復権させることは可能か。それは、私たち一人ひとりが、ウォール街が輸出した「流動性の文化」に対して、日常の中で小さな「No」を突きつけることから始まるのかもしれない。

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投稿者

  • 文化人類学者|社会人類学・アクターネットワーク理論

    • 早稲田大学大学院博士課程に在籍中、インドネシアとシンガポールへの留学を経て、文化・社会人類学の研究手法を体得。現在もフィールドワークを重視する研究者として活動。
    • 研究テーマは、東南アジアの国際移民研究から、BBCやNHKのドキュメンタリー番組制作過程の民族誌的研究、沖縄・韓国・マレーシアの民俗服飾の比較研究へと展開。近年は、伝統染織「読谷山花織」を事例に、市場的価値と社会的価値が織りなすネットワークの中で、いかに持続可能な発展が実現されるのかを追究している。
    • 特筆すべきは、コロナ禍でキャリアコンサルタント国家資格を取得した点。人類学者としての視座とキャリア支援の実践知を統合し、沖縄の伝統産業における技能継承や後継者育成の研究にその知見を活かしている。学問と社会をつなぐ姿勢は、リベラーツの理念にも通底する。
    • 主な著書:
      『シンガポール:多文化社会を目指す都市国家』
      『戦後アジアにおける日本人団体』
      『イスラーム事典』

     

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